
●城戸真亜子(きど まあこ)


さらに、最初の展示室に進むと、東京美術学校在学中に描いたもう1枚の《自画像》があります。あえて下書きのような朱色の輪郭線を残し、暗い色調の背景から浮かびあがる上半身。眼窩に宿る光が画家として生きる決意の生々しさを伝えます。画学生のひとつのモデルですが、強い自意識、若いからこそ許される傲慢さのような自信、他人と違う自分を作品に残すタッチの激しさ、生々しさで伝えようとするスタイルです。うーん、懐かしい!かつて、このようなタッチを真似する画学生が私の周りに何人もいました。
初期の作品の中で、私は特に水彩で描いた《ランプ》に、気持ちが引きつけられました。当時どこでも見られたと思われる卓上のランプが3冊の本の上に置かれている様子が描かれているだけなのですが、水彩絵の具の持つ透明感でガラスの質感をよく捉えています。

青木繁の描く女性像のモデルは彼女だと言われることが多く、この会場には《女の顔》という、たねをモデルにした作品があります。

《海の幸》ですが、布良で制作した2年後に、たねをモデルにした人物とその斜め前の人物(坂本繁二郎がモデルと言われているそうです)の顔を加筆しましたが、青木繁自身、この絵に買い手がついたら完成させると言っていたように実は作品としては未完成なのです。
《海の幸》のあと、青木繁は日本神話を題材にした作品―これもまた有名な

| 「没後100年 青木繁展」 | |
| 会期 | 2011年7月17日(日)~2011年9月4日(日) |
| 休館日 | 月曜日 |
| 会場 | 石橋財団ブリヂストン美術館 (http://www.bridgestone-museum.gr.jp) 東京都中央区京橋1-10-1 |
| 開館時間 | 10:00~20:00、日・祝日は18:00まで(入館は閉館の30分前まで) |
| 入館料 | 一般 1000円、シニア(65歳以上)800円ほか |
| アクセス | JR:東京駅(八重洲中央口)から徒歩5分 地下鉄: 東京メトロ 銀座線 京橋駅(6番出口)から徒歩5分 |