深呼吸倶楽部 しんこきゅうくらぶ 服部善郎 服部名人 小久保領子 釣り 海釣り ウイリー釣り しゃくり釣り むつ六丸 アジ イナダ イサキ サバ タイ カサゴ

服部善郎 服部名人+領子の”釣りにいこうよ!!”釣りと魚のエトセトラ
釣り殿堂入り IGFA
JGFA(日本ゲームフィッシュ協会)名誉会員で、このコーナーでも毎回釣りのご指導をしてくださっている服部名人(服部善郎さん)が、この度、『IGFA(国際ゲームフィッシュ協会)釣りの殿堂』入りを果たされた。

2月2日、IGFA会長、ロブ・クレイマー氏より、その決定が手紙で通知され、同月19日、正式な記者発表が行われた。
服部名人は、1960年代後半から1970年代にかけて、日本テレビ系列の深夜番組『11PM』で、海外のあらゆり釣りを紹介し、釣りブームのキッカケを作った、まさにその人。現在もなお、釣り界に多大なる力を注いでおられる。

JGFAは以前から、服部名人の釣り界に対する貢献は世界レベルであることを推薦しており、このほどそれが認められたのだ。『IGFAの釣り殿堂』入りは、世界の釣り人にとって大変名誉なことで、JGFA前会長である大西英徳さんに次いで、日本人としては2人目。殿堂には、アーネスト・へミングウエイゼーン・グレイなど世界的に著名な釣り人や釣り関係者が入っている。 IGFA釣りの殿堂入りセレモニーは、IGFA本部のあるアメリカはフロリダで、来る10月26日に行われる。
服部善郎 服部名人 服部善郎 (はっとりよしろう) 1928年神奈川県・横浜生まれ。
早稲田大学卒業後、読売ニュースのディレクター、釣り番組「日本の釣り」演出・出演などを経て、深夜番組「11PM」の釣りコーナーを23年間にわたり担当。
日本および世界各地の釣りを紹介し、「服部名人」の愛称で広く親しまれる。 NHK趣味悠々講師、海上保安庁友の会理事、JGFA(ジャパン・ゲーム・フィッシュ協会)名誉会員。
小久保領子 (こくぼ りょうこ)ボアエージェンシー所属
趣味である釣りを生かし、テレビ、雑誌、ラジオ出演、コラム執筆など、各メディアで活躍中。
釣りは何でも大好き。管理釣り場や渓流のトラウト、湖沼のライギョから、海の大物釣りまでと、あらゆる釣りに挑戦している。現在、『AnglingFan』、『Fishing Area News』、『食漫』、WEBサイト等で連載を持つ他、CS釣りビジョン『五畳半の狼』にレギュラー出演。
小久保領子オフィシャルブログ>>
小久保領子
服部善郎 小久保領子 釣りに行こうよ
◎第七回 大衆魚の王者アジ!ブリリアントなイシモチ!
古くから釣りのターゲットとして人気が高く、我々ニッポン人にとってもっとも馴染み深い魚といったら、この魚しかいないだろう。
食卓にも頻繁に登場し、釣りを知らない人でも、その名を知らない者はいないほどポピュラーな魚。大衆魚の王者として君臨しているその魚とは、アジである。 栄養価が高く、クセのないたおやかな旨味に満ちているアジは、刺身は無論、唐揚げフライ南蛮漬け、また、干物塩焼きにつみれなど、用途は極めて幅広い。
どう手を加えても、トビキリ美味しい優等生。

政治家にして学者でもある江戸中期の人、かの新井白石が自身の著書で記したように、まさに「アジとは味なり」といったことろか。

煌びやかなウロコを全身にまとった、ブリリアントな魚。
上品な味わいが特徴的な白身は、唐揚げや甘酢あんかけでいただくと非常に美味。また、すり身にすると粘り気が出ることから、高級カマボコの原料とされているとして知られている。
それが、イシモチという魚。比較的良く釣れ、手ごたえ抜群の痛快な引き味が釣り人たちを魅了する、人気ターゲットだ。
そこで今回は、いにしえから人々の味覚を魅了し続けてきた美味なるアジと、鏡のように美しいイシモチを求めて、服部名人と共に東京湾へと足を運んだ。一日で2魚種を狙う、贅沢フィッシング。
アジとイシモチのリレー釣りに挑戦してきたので、早速その模様をお届けするとしよう。
アジ イシモチ
【アジ 仕掛け】 ハリス:1.5号 針:9号 2本針 枝:20㎝ 幹糸:1.5号 全長:150㎝ 
【イシモチ 仕掛け】 胴付き仕掛けを使用 オモリ:30~35号 ハリス:2号 2~3本針 幹糸:2号 針:シロムツ12号 
全長:1.75m

お世話になったのは、金沢八景にある『弁天屋』さん。 同地で釣り船店をはじめた1937年から73年。
遊魚専門の船宿としては、一番の老舗をいわれているそうだ。 扉を引くと、船長やオカミさんが、人懐っこい和やかな笑顔で迎えてくれる。心に潤いの火が灯るとでもいうのだろうか、ふわりとした温かな空気が流れる空間で、釣り客たちがお茶をすすりながら釣り談義。 つい長居したくなってしまうような、アットホームな船宿である。
弁天屋 横浜市金沢区瀬戸2-22
【弁天屋】 〒236-0027 横浜市金沢区瀬戸2-22  
TEL:045-701-9061(21時まで)  FAX:045-701-1514   http://www5e.biglobe.ne.jp/~bentenya/
さて。
いよいよ東京湾へと繰り出すとしようか。
当日は、7時15分から11時15分までの午前船ではアジを、そして、お昼休憩を挟み、12時30分から17時までの午後船でイシモチを狙った。ということで、まずはアジ釣りから。今回は、コマセにはイワシミンチを、餌には赤タン(赤く染めたイカ玉)を使用した、コマセ釣りでアジに挑んだ。
弁天屋 コマセ
「アジ釣りはね、コマセの切れ目が縁の切れ目。そんな釣りなんだ。  
ビシにコマセを8分目ほど入れたら仕掛けを投入。着底したら2m巻き上げる。そしてコマセを振り、1m誘い上げる。
アタリがなかったら竿を戻して更に1メートル巻き上げ、2度目のコマセを振る。そしてまた、1m誘い上げる。
この時点でアタリがなければ、コマセがなくなっているから、仕掛けを回収してコマセを詰めなおし、同じ誘いを繰り返すだけ。放出したコマセの中に、餌を漂わすイメージでやってみると良いよ。
アジは、シンプルな釣りだし、比較的良く釣れるターゲットだけれど、水温や潮など、ちょっとした自然環境の変化が影響してご機嫌を損ねると、パッタリ喰わない。それをどう攻略するか? イージーだけれど、奥の深い釣りでもあるんだよ」。
 

ポイントに到着するまでのあいだ、服部名人がこんな話を聞かせてくれた。
ファミリーフィッシングの代表格であり、初心者の入門編として愛好されているアジ釣り。しかし、時には一筋縄ではいかない気難しい一面があり、奥深いゲーム性を併せ持っている。ビギナー向けのターゲットでありながら、百戦錬磨のベテランをも虜にする魅惑の魚、というわけか。さぁ、今日のアジのご機嫌はいかがなものか。ご機嫌麗しければよいのだけれど。
士気を高め、実釣を開始した。
ほどなくして、服部名人の竿が小気味良いリズムで踊り出した。
手ごたえを楽しみながら、リールを巻き上げる服部名人。
舞うようにして水中から上がってきたのは、愛らしいどんぐり眼に、艶やかなるいぶし銀のボディ。それは、本命のアジであった。たちどころに本命をキャッチしてしまった服部名人。 まさに、名人芸
その見事な美技たるや、しばらく開いた口が塞がらなかった。だって、私はというとアタリすらないのだから。何かが違うのだ。
タナ(水深)か、はやまた誘い方か。そこで、服部名人の釣り方を習い、同じようにやってみる。と、アジはすぐに応えてくれた。竿から伝わる、生気に満ちた確かな手ごたえに、思わずエビス顔。慎重にリールを巻き上げ、念願の一尾目を手にすることができたのだった。ウィリー釣り
アジ
当日のアジのご機嫌は、イマイチ優れなかったようで、その後はポツリポツリといった調子。
全4時間での釣果は、15匹前後といったところだったが、好調なときには、50匹近い釣果がでるそうな。状況次第では誰でも心がほっくりと温まる、大満足の釣果に巡り会えるチャンスがある釣り。それが、アジ釣りなのだ。
さて。
続いては、イシモチ釣りに移るとしよう。胴付き仕掛けを使用し、餌はイソメと、アジとは、仕掛けも餌もまるで異なる釣りとなる。 「イシモチという魚は、底にいる魚。オモリが、海底をはうような感じ、つまり、着かず離れずの状態にしてアタリを待つんだ。そして、時々1mくらい誘い上げて、ゆっくりゆっくりと竿を降ろしてみる。そしたらまた、海底付近を狙いながら待っている。そういう釣りだよ。 それと、餌のイソメは、7~10㎝程度に切って、針にチョン掛けするだけ。元気にクネクネと泳ぐようにしなきゃいけないから、弱ってきたら餌を替えるようにね」。

神奈川県久里浜港 ムツ六丸

服部名人から、釣り方や誘い方などひと通りご指導いただき、いよいよ実釣りへ
すると、私は、たちまち目を丸くした。突如として訪れたアタリ。と同時に、竿を介してダイレクトに伝わる、パンチのある手ごたえと、体がカッと火照るような、刺激的な引きに、胸の鼓動が一気に加速した。海中から浮上してきたのは、目にも眩しい煌びやかな魚体。それは、紛れもなく本命のイシモチだった。冷気でこわばっていた頬がスルリと緩む。
それからというもの、同船者皆さんの竿が次々と曲がりだし、イシモチのオンパレード。外の寒さとは対照的に、船上はムンムンとした熱気に包まれたのだった。バケツは満タン。申し分のない釣果に、心も満タン。アジとイシモチで溢れかえるクーラーボックスを眺め、会心の笑みをもらしたのは言うまでもない。



「アジはね、コマセ釣りの基本であり、原点なんだ。だから、アジが一丁前に釣れるようになれば、鯛でもイサキでも何でも上手に釣れるようになるよ。  イシモチは、誰でも簡単に釣れる釣りといわれているけれど、たかがイシモチ、されどイシモチ。バレやすい魚だから、いかにバラすことなく釣りあげることができるか、というところがポイントだね」。  
アジもイシモチも、簡単な道具立てで誰でも容易にできる釣り。それでいて、オデコも少ないとくれば、沖釣り入門には、おあつらえ向きなターゲットといえるだろう。アジは年間を通して、また、イシモチは3月いっぱいまで楽しむことができる。


【文:小久保 領子】

◆◇◆次回を乞うご期待!◆◇◆