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3月14日より世田谷美術館において公開されている特別展
「平泉~みちのくの浄土」の特別内覧会に応募し行ってまいりました。
国宝、重要文化財98点を含む200点をお寺の外で公開する大変貴重な展覧会ということで、神社仏閣や仏像好きの私としては、大変興味深く楽しみにしておりました。

特別内覧会というのは、一般公開に先駆けて、メディア関係者やプレスの方々を招いての先行展示会なのだそうです。

「金色堂西北檀の諸仏11体が間近で見られる貴重な機会です」と語る世田谷美術館主任学芸員 石井幸彦氏
さて、今回の「平泉~みちのくの浄土」では、名高い名宝や歴史的資料、出土資料などを効果的に配置し、平安後期、奥州藤原氏3代によって築き上げられた都市、平泉の魅力が余すところなく紹介していると、世田谷美術館主任学芸員の石井幸彦さんから説明を受けました。なにより特筆すべきは、「国宝」中尊寺金色堂西北壇の仏像 11体が、日本ではじめてすべてそろった状態で展示されるという事だそうです。 金色堂の仏像がお寺の外で公開されるのははじめてで、さらにそろった状態というのは大変貴重な機会だということです。 さあ、それでは私のつたないガイドですが、「平泉~みちのくの浄土」、その美しさをご紹介していきましょう。 さて、今回の「平泉~みちのくの浄土」では、名高い名宝や歴史的資料、出土資料などを効果的に配置し、平安後期、奥州藤原氏3代によって築き上げられた都市、平泉の魅力が余すところなく紹介していると、世田谷美術館主任学芸員の石井幸彦さんから説明を受けました。なにより特筆すべきは、「国宝」中尊寺金色堂西北壇の仏像 11体が、日本ではじめてすべてそろった状態で展示されるという事だそうです。 金色堂の仏像がお寺の外で公開されるのははじめてで、さらにそろった状態というのは大変貴重な機会だということです。 さあ、それでは私のつたないガイドですが、「平泉~みちのくの浄土」、その美しさをご紹介していきましょう。
プロローグ 浄土空間・平泉
私自身、平泉にはまだ行ったことがなかったので、ワクワクしながら世田谷美術館へうかがいました。

入口を入ると、いきなりライトアップされた金色堂の模型が設置されています。その荘厳な美しさを心に留め置きながら、プロローグを観覧するという演出のようです。

前九年、後三年の合戦の後、みちのく北部の覇権を握った藤原清衡ですが、2つの合戦で肉親をすべて失い、親族の豪族が潰えた不幸な体験が「みちのくを浄土に」という想いの原点となりました。

1100年の頃、清衡は本拠を平泉に移し中尊寺を建立。
さらに1124年中尊寺の中に金色堂が建てられ、1128年清衡は亡くなります。そしてその遺体は金色堂内に安置されました。


プロローグの目玉は、金色堂にある藤原三代(清衡、基衡、秀衡)の仏壇のうち、西北檀にある仏像11体の展示です。
仏像は思った以上に大きく、近くで見ると圧倒されます。金色堂ではここまで近づいてみることはできないそうです。
「平泉~みちのくの浄土」では、通常見ることができない角度から美しい仏の姿を目のあたりにできます。

また金色堂の仏像がお寺の外で公開されるのははじめてなのだそうです。

入場口に設置されている金色堂の復元模型


中尊寺建立供養願文 岩手・中尊寺大長寿院
「鐘の音が大地に響くごとに、戦死者の霊が浄土に導かれますように」と書かれている。


国宝「中尊寺金色堂西北壇諸仏」
岩手・中尊寺金色院蔵
西北檀にある諸仏11体を間近に見られる。とりわけ地蔵は横から眺めることができる。
第1章 みちのくの古代・みちのくの仏たち
次の第1章では、奥州藤原氏が台頭する以前から信仰されていたみちのくの仏像を一堂に集めて展示されていました。

自然物への崇拝から生まれた素朴で力強い姿の像が、次第に仏教の影響をうけて変化して融合。さらに仏像として洗練されていくさまを見ることができます。

いにしえの東北地方には「えみし」と呼ばれた先住民が暮らしており、自然信仰に基づく独自の神々を崇拝していました。
都から朝廷の勢力が進出するにつれて仏教が広がっていき、平安時代には都の様式を持つ洗練された仏像と、みちのく独特の土着的仏像とが生まれたのだそうです。

岩手県から福島県に至るみちのくの仏像が、東京でこれだけの数まとめて展示されるのはいままでにないとのこと。みちのくへ旅をし、お寺を巡らないと見ることができない仏像が、こうやって一所に集められたおかがで、まとめて拝観できるのは私のような年配者には大変ありがたいですね。

八幡三神座像、男神坐像(中央)は山形・成宝寺、女神坐像(左、右)は山形・成島八幡宮と別々の場所にあるが、木心や年輪から見て同じ木が使われているという。


四天王立像(岩手・黒石寺/福島・勝常寺)および伝吉祥天立像(岩手・天台寺)
四天王立像は力強く堂々としている。作者は都の仏師と考えられている。
第2章 仏都平泉~みちのくの中央・朝日差し夕日輝く~
つづく第2章では、仏教都市平泉の建設に至る歴史を記す勇壮な絵巻や、お椀や壷、硯や将棋の駒など、平泉の人々の生き生きとした暮らしを今に伝える出土資料などが展示されていました。

これらを通して、戦のない世界を願った清衡の夢の浄土空間、平泉の姿を垣間見ることができます。

平安時代では前九年、後三年の合戦がおこり、東北の二大豪族、安倍氏と清原氏が滅亡します。そのなか唯一生き残りみちのくを支配することになったのが藤原清衡でした。

戦乱の中で父や妻子を殺され、果てには弟と戦って滅ぼすという悲惨な体験をした清衡は、戦さのないおだやかな浄土をみちのくに造ることを夢見て、みちのくに京の都をも凌ぐ仏教都市平泉をつくりあげたそうです。

その礎となったのは「万物はみな平等である」という法華経の理念でした。その理念のもと営まれたひとびとの暮らしは、なかなか進んだものだったことが展示資料から拝察できます。

毛越寺庭園


大日如来坐像(中尊寺金剛院)
第3章 輝きの浄土~中尊寺の至宝
第3章では中尊寺に遺された数々の至宝を観覧します。
金字と銀字を織り交ぜた豪華な紺紙金銀字一切経(中尊寺経)や、十層の塔が法華経の経文一字一字によって描かれた金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図、中国の霊峰五台山と深いつながりをうかがわせる騎師文殊菩薩半跏像など、独自の発展を遂げた平泉の仏教文化を間近でじっくり堪能できるよう展示されています。

1052年より末法の世に入ったとされ、都では寺院や仏像を造ることが流行。仏像を美しく飾るのに必要な黄金がみちのくに求められました。

その結果みちのくには莫大な富がもたらされ、奥州藤原氏は毛越寺や無量光院など壮大な寺院を次々に建立。みちのくならではの仏教文化が花開きました。

この章ではその代表的なものをゆっくり観覧できます。

金箔押木棺とその中に収められていた豪華な副葬品。(岩手・中尊寺金色院)光の呪力が遺体を守ると考えられていたという。


紺紙金銀字一切経 大般涅槃経 巻第二十一 
和歌山・金剛峯寺蔵


金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図(岩手・中尊寺大長寿院)10枚あるうちの4枚(2枚づつ前期後期に分けて展示)を見ることができる。字が見えるくらいの距離まで近づける。
第4章 祈りとまつり
最後の章では奥州藤原氏以降、中尊寺や毛越寺に伝わる法会と祭礼、またそれに付随する芸能で用いられる衣装や面、楽器類などの文化財を展示。

天台会や修正会、春の神事や延年など、中世から現代まで受け継がれてきた平泉の祈りとまつりをビデオなども交えながら詳しく紹介しています。
法会と祭礼は、その時期に平泉を訪れないと見ることはできませんが、展示物によってその雰囲気に触れることができたのは大変貴重な体験でした。

以上のように本展は平泉ゆかりの珠玉の名宝を一堂に公開するかつてない規模といいます。歴史資料、出土資料など国宝・重文98点を含む200件にのぼる展示物で、みちのく平泉をたっぷり味わうことができました。

今回、読者レポートということではじめての経験でしたが、普段とは違った角度からじっくり鑑賞でき、また自分も報道関係者の一員になったつもりで楽しみながら鑑賞させていただきました。この場をお借りいたしまして、関係者ならびに深呼吸倶楽部のスタッフの皆様に厚く御礼申し上げます。
深呼吸倶楽部のスタッフの方によると、今後もこのような企画をご提供されてゆくとのことでしたので、機会があれば是非また応募したいと思います。

今回の「平泉~みちのくの浄土」、平泉の魅力のすべてを一望するまたとないチャンスです。皆様お誘い合わせのうえ、どうぞお見逃しなく。

毛越寺 延年の舞「老女」


重文「古楽面 若女」 岩手・中尊寺蔵